あなたのコトバが あなたをだます/日本語道場2020

「漢字假名まじり文」の日本語をkeywordに私たちの社会の深層をさぐります。

E77/Poor environment on language learning in Japan; serial comment.

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英語は、日本語と比べて、かなり論理的な言語だと言われています。
英語に限らず、インドヨーロッパ語族は、リクツをこねるには便利な用具だとも言われていますが、
こと宗教に関しては、洋の東西を問わず、論理がグチャグチャ、どうしようもありません。

その一つ。イエスのイチジクの木への呪い。
エスが実のないイチジクを呪ったクダリは、マタイの福音書21章18節にあります。日本聖書協会の共同訳から引用します。
小見出し
「いちじくの木をのろう」とあって、以下、

18 朝早く、都に帰る途中、イエスは空腹になった。
19 道端にいちじくの木があったので、近寄ってみたが、ただ葉のほかは何もなかった。
20 そこでイエスが、「今から後いつまでも、お前には実がならないように」と言うと、いちじくの木はたちまち枯れてしまった。

ま、このクダリは、イエスの奇跡を起こす力を示すところでもあるのですが、そのリクツが、自分の空腹を満たせなかったからにあるワケで、誰が見ても理不尽でしょう。まるでダダをこねる餓鬼です。とても神の子とも思えない、どちらかと言うと、悪魔の子と言ってもいいような振る舞いでした。

聖書の中に数多く見られる変な(不合理な)記述は、
神の言葉としての聖書に絶大なる権威があった時代には、合理主義者からの鋭いツッコミなど想定していませんから、どんな記述もありがたく受け入れていたのです。
つい一世紀前までは、一般国民に公的教育が施される国など、数えるほどしかなかったので、大多数の民百姓は文盲だったワケで、合理的な考えなどできるはずもありません。
変な記述の最たるものは、創生紀の冒頭にあります。
ここでは、King James 訳から、

Chapter 3
Now the serpent was more subtil than any beast of the field which the Lord God had made. And he said unto the woman, Yea, hath God said, Ye shall not eat of every tree of the garden?
2 And the woman said unto the serpent, We may eat of the fruit of the trees of the garden :
3 But of the fruit of the tree which is in the midst of the garden, God hath said, Ye shall not eat of it, neither shall ye touch it, lest ye die.
4 And the serpent said unto the woman, Ye shall not surely die :
5 For God doth know that in the day ye eat thereof, then your eyes shall be opened, and ye shall be as gods, knowing good and evil.

これが、今時のSF映画で、全能の神が宇宙を創造したとする筋立てだとしたら、
端から台本(screen play)がボツであります。
もし神が全能であって、天地創造から最後の審判までを見通していたなら、
エヴァエデンの園の中央にある木の実を食べるなと言ったのは、単なる誘導示唆でしかなかったワケですよね。逆に、蛇の言ったことの方が正しい。
目のあいたエヴァともどもアダムを楽園から追放するためには、そのキッカケをつくるために、善悪を知る木の実と蛇を創っておかなければなりません。
のちのちに、ノア、アブラハムからモーセに至るイスラエルの歴史の大本になる序幕が、この失楽園エピソードなのでありました。
とすると、ユダヤの神エホバは、最後の審判に至る紆余曲折を全て承知の上で、この宇宙を創造したワケです。
何のために?

波乱万丈の大河ドラマを見て楽しむために。
十二部族を失い、二部族のみが残ったパレスチナローマ帝国の迫害。
エスの革命。パウロの変心。
ヴァチカンの中世ヨーロッパ支配。カノッサの屈辱
プロテスタントの離反とヒットラーアウシュビッツ
これらの壮大な舞台装置を創ったエホバ神は、エデンの園を創った時に、エヴァをそそのかすために、
蛇と木の実を園に置いたワケであります。