あなたのコトバが あなたをだます/日本語道場2020

「漢字假名まじり文」の日本語をkeywordに私たちの社会の深層をさぐります。

マホラ23/曖昧な分裂国家ニホン。少子化促進。

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少子化促進の、
日本特権階級と官僚組織の弥縫策が出ました。

大手新聞のサイト記事より。
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 政府が秋の臨時国会に提出する地方創生基本法案の概要が2日、分かった。
 急激な人口減少を食い止め、地域活性化を実現するため、国と都道府県がそれぞれ今後5年間の総合戦略をまとめることなどが柱だ。
法案は、3日に発足する政府の「まち・ひと・しごと創生本部」(本部長・首相)について、官房長官と地方創生担当相の2人が副本部長を務め、全閣僚が参加すると明記。本部の役割として、2060年に日本の人口1億人を維持するための「長期ビジョン」と、15年度から5年間の地方支援策などを盛り込んだ「総合戦略」を打ち出すことを盛り込む。
 都道府県に対しては、地域の少子化対策や産業振興策などを含む「地方版総合戦略」を作るよう求める。国の総合戦略と食い違いが生じないよう、地方版総合戦略は国と都道府県が連携して作る。地方創生に意欲的な市町村が独自の総合戦略を掲げることができるとの規定も明記する。
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ま、要するに「労働条件の改善をせずに、何か有効な手立てあればいいなあ~」
といつた、希望的作戦でやつてみたい「空気感」がバツチリかもしだされてをります。
ゴタゴタ能書きをたれるよりも、労働基準法を厳格に発動させれば一挙に解決するのですが、
そこのトコロは、経済界の意向もあつて、ふみ切れるわけもありません。
永遠にゼロ、でありました。

そこのトコロを、よくあらわしてをるのが、
恒例となりました「ブラック企業大賞」。
サイトの記事から
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「第3回ブラック企業大賞」の発表会が9月6日、東京千代田区で開かれ、「大賞」に従業員の過労自殺をめぐる訴訟が起きている「ヤマダ電機」が選ばれた。
ブラック企業大賞は、労組やNPO法人、弁護士、ジャーナリストらによる実行委員会が企画。第3回となる今年は、7月に9組10社がノミネートされ、9月に「不二ビューティ」と「ゼンショーホールディングス」の2社が追加ノミネートされた。
□大賞のほか、各賞も発表された。セクハラヤジ問題で話題を呼んだ東京都議会が「特別賞」を受賞。アニメ制作会社のA-1Picturesと、「たかの友梨ビューティクリニック」を展開する不二ビューティの2社に「業界賞」がおくられた。(以下略)
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つい先年、「Karoshi / カローシ」なるコトバが、欧米先進国で認知されるやうになつたのを、
日本の財界はカエルの面にシヨンベン、
知らぬカヲの半兵衛でありましたので、サービス残業はなくなりませぬ。
上記記事の「たかの友梨ビューティクリニック」がスキヤンダルになつてをりますが、関連の記事サイトで
高野友梨社長のコトバが披露されております。
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今回労基署の申告やユニオンでの交渉を行ってきた、たかの友梨で働く女性は、高野友梨社長本人から、同じ店舗で働く全従業員の前で二時間半にわたり
労働基準法にぴったりそろったら絶対成り立たない」「つぶれるよ、うち。それで困らない?」「やっぱりあなた七年居た会社潰してもいいの」
などと圧迫行為を受けている。
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乃木希典の「203高地」以来、帝国陸海軍の基本理念である
「兵士の命を省みない」特攻精神を強いるブラツク・システム。
その組織風土が、現代の産業社会にも脈々と生きている。
ただ、現代と戦時との根本的なちがひは、
「うめよふやせよ」の国策号令が、国民各層に「利益」をもたらさない社会構造になつているトコロであります。産めば産むほど苦しくなる。
安部ソーリは、そこのトコロに氣がついてゐないのでありました。

少子化が問題になつてからも、居酒屋チエーン「和民」やユニクロ、牛丼のすき屋などの労働システムを厳しく取り締まらなかつた行政は、
いつたいドコをみてゐたのか?
労働基準法」は憲法の人権条項から敷衍されたものでありますが、
例によつて、日本式「外面糊塗」の御題目文集でありました。何せ、罰則がありませぬからな。

子供を産むどころか、結婚すらできない状況に、働く者をおひこむ日本社会は、
玉砕特攻で負けてしまつた戦術的虚妄を反省学習してゐないコトをよくしめしてをります。
その意味において、靖国神社に祀られてゐる諸々のタマシヒが現代の日本国に祟つてゐる、ともいへるワケであります。

瑞穂の国・ 日本は、毎日90人の人間(全都道府県の各県で毎日2人づつ)が自殺している、たぐひまれなる国でもあります。
「命をソマツにする国は、命を増やすことができない」のでありました。

このたびの「地方創生基本法案」、
毎度のやうに「オザナリ」になりませう。
これで、財界もヒト安心。
めでたしめでたし。