あなたのコトバが あなたをだます/日本語道場2020

「漢字假名まじり文」の日本語をkeywordに私たちの社会の深層をさぐります。

E115/ 日本語やめて English(英会話)/ A Little Language Goes a Long Way

「発音できなきや きこえない」の巻。

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日本人の英会話ベタについては、
多言を要することもありませんが、

書籍、サイト(ホームページ)やブログ、メルマガなどで
英会話(英語)能の修得練習プログラムを発信なさつて
をられるセンセイ方は、しかし、
発音の重要性について言及なさつてゐらつしやらない、
この不思議。

「発音できないものはきこえない」のがあたりまへ
なのに、日本では
英語の発音全般についてのべた本は、かぞへるほどしか
ありませぬ。

ワタクシが、これまでに でくはした本で、
音韻学の専門学術書以外(一般書籍)で
発音を重要視した本は、
まず第一に
中津遼子さんの『何で英語やるの?』を嚆矢とすべきか?

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あとは、この写真にあるごとく、
(左端の成毛シヤチヨーの御本は、「発音カンベン」といふほどの
英語難民ヒラキナホリ本ですので、別格として)
4冊の本が、現在入手可能です。

ただ、
『オバケの英語』は、胡麻ツブやチクワをつかつて
発音する時の クチビル・歯・ベロ(舌)の かまへ方うごかし方を
きはめて具体的に解説してゐますが、
アルフアベツト一字づつにかかはりすぎてをり、
成句や会話文全体の流れに即した「発音」に触れること すくない。

アメリカの子供が「英語を覚える」101の法則』
は、フオニツクス(つづりの読みかた)一点についての解説であり、
文を読むときの、発声法についてはのべてゐない。

マーフィーの法則 de 英語耳』は、
「文章」の流れと抑揚に注意を喚起させ、
Prosody に言及した 本邦初の本ではあります。
ですが、 English 独特の、日本語にはない音の発音の仕方には
触れてゐません。

つまり
実際的に、もつとも重要なのは、
写真右端、
平澤正夫・著『通じる英語・上達のコツ』
でありませう。

この本をよんでゐますと、
いままで口にだしてゐたすべての英単語を
洗いざらい、万国発音記号で 再チエツクすべき
ではなからうか? とおもつてしまふ。
それほど、日本人の発音誤解は  決定的であります。

すなはち
◯万国発音記号による発音法
◯アクセント( stress accent )
◯単語間で生ずるエリジオン( elision )とリエゾン( liaison )
◯文のリズムにかかはる強弱の波
◯イントネエシオン( intonation )

の重要点5つを、懇切丁寧に解説なさつてゐます。
4番目の「強弱の波」は、
マーフィーの法則 de 英語耳』で
Prosody として言及されてゐます。
まず、プロローグで、
日本人の英語発音の問題点が、
ネイテイブをひどく悩ませる
「日本人英語の七不思議」として、
列挙されてゐます。(34ページ~)
〈原文、現代仮名遣ひのママ。《  》内は引用者・注。〉

?
日本人英語《発音》の特徴
【a】英語の母音は14個あるが、それをアイウエオの5個にあてはめる。
【b】子音 /r/ と /l/ との区別がなく、両方ともラ行で発音する。
【c】語末の閉音節(子音で終わる音節)を、開音節(母音で終わる音節)にして発音する。
【d】英語から入った外来日本語の発音を、英語の中でそのまま使う。
【e】語中や語間で、子音の省略(本書ではエリジオンと言っている)や脱落をせず、綴りにあるすべてを発音する。
【 f 】英語にない「促音」を挿入して発音する。
【g】語末、とくに文末の / n / を日本語の「ん」の発音にする。

?引用おはり。

要するに、日本人の英語発音は、完全なカタカナ発音だといふことでした。
従前から指摘されてゐた「いはずもがな」の耳の障壁が、
再確認されてゐるのであります。

この項つづく。