あなたのコトバが あなたをだます/日本語道場2020

「漢字假名まじり文」の日本語をkeywordに私たちの社会の深層をさぐります。

日本人のザンネンな言語環境/その2

◎バブルがはじけたあとの四半世紀、経済界では「失なわれた20年と」呼ばれてますが、日本国の言語政策も、失なわれたままでした。
言語政策などという国政レベルのハナシが英会話とナンの関係があるのか?と思う人もあるかもしれませんが、英語能を身につけたいと、多くの日本人がもがいているのを見るとき、この問題に言及せざるを得ません。
◎もともと、英会話・英語能を身につけるスベは出尽くしていましたが、国(文部省)も経済界も、英語教育に関わる学者・言論界・マスコミも動かなかった経緯があります。
私が注目して、その方法を取り入れたのは、この本でした。

イメージ 1

KKベストセラーズ発行の「英語を実用的に使う本」、副題にーー国際人としての英語会話術、とあります。著者は当時、東京松本英語専門学校学長の森喬伸。1935生まれとありますから、今ご存命なら77才。HNKラジオで永く「基礎英語」を担当していた松本亨氏の一番弟子とのことです。この森先生のおっしゃっている提言が今も通用するところに、第三次英語ブーム日本の失なわれた20年のザンネンさがわだかまっております。なにしろ、この本の初版、1982年の1月ですよ。
いわく、
●英文法を無視することから始めろ。
●英語で考える。
●和英辞典を使うな。英英辞典を活用しろ。
●音読と黙読の効用。
●留学は英会話マスターの切り札にならない。
目次から引っ張り出した5項目が、いまだに、日本の英語教育や英会話産業の世界で了解されていないことですよね。一部には、以上の重要な項目を英語能習得の心得として説いている専門家もいますが、全体の二割にも満たないでしょう。
◎イロイロ、もっともらしい説明をあげつらって、この森説を遠ざけている専門家がゴマンといます。