あなたのコトバが あなたをだます/日本語道場2020

「漢字假名まじり文」の日本語をkeywordに私たちの社会の深層をさぐります。

E24/ 日本人のザンネンな言語環境:連載24

イメージ 1

成毛眞シャチョーの、言わずもがな本
「日本人の9割りに英語はいらない」は、この日本の英語状況に何がしかの影響を与えてきたのでしょうか?
英会話学校の入会者数や英語教材の売り上げに変化はあるのでしょうか? TOEICの受検者数が減るのでしょうか?
○そんなキザシは見えません。

これまでの、日本の外国語教育と、英語にまつわる社会状況をまとめてみましょう。
まず、
◎現在の文部行政では、英語を、国内外で使用するための実学としては位置付けてはいない。上級学校に進む際の、振り落とし課題・試験科目としている。
○経済界・産業界も、社員・技術者に特段の英語能力は求めていない。海外との交渉や情報の取得には、通訳翻訳の専門職が当たるので、国内の一般職までもが英語能を身につける必要を感じていない。 ただ、毎年TOEICなどの試験ハードルを設けて、人事考課をやり易くした企業は飛躍的に増えた。
○中高大以外の民間の外国語教育機関でも、言語修得の基本的原理を無視した教育を施している。
文法を優先した翻訳学習神話を守る英語の専門家(学者、学習指導者)・語学シーラカンスが未だに多数生息している。
○母国語を含め、言語を修得維持するには、留学のような、一定の集中期間と毎日の慣らしメンテナンスが必要であること。つまり、その言語を使った日々の生活が、当該言語能を常に保持する唯一の方法であること。
語学シーラカンスの専門家たちは、この事実を知らないか、知っていながら無視している。

以上のようにまとめられます。
で、成毛眞シャチョーが、揶揄なさらなくても、
英語の必要のないザンネン族の方々は、身につかない程度のヒマつぶしを日々ちょっぴりやって、
「いつかしゃべれるようになりたい」と、お題目を唱えているのでした。