あなたのコトバが あなたをだます/日本語道場2020

「漢字假名まじり文」の日本語をkeywordに私たちの社会の深層をさぐります。

E41/日本人のザンネンな言語環境:連載 *ミスの段落、メッケ!

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つづいて
12章「三連打の技法」
では、ウッカリよみすごすと、だまされてしまうトコロがあります。山本大センセ、ケッコウくわせモノですぜ。

○山本センセの行者的会話レベルでは、
「3つのセンテンスを連打して答えられるような備えをしておかなければなりません。」とのコト。たとえば、

月曜の朝に
How was your weekend?
と聞かれたら、
I didn't do much of anythig. I didn't go anywhere. I stayed home all day.
などと答えたい(答えてみろ) とのお勧めです。
ま、それができたとして、さらにハナシがつづけばケッコウなのですが、自分から話題をふるワケでもない、月曜アサのあいさつのトッカカリに、3センテンスをココロづもりしておけ!
っていうのも、翻訳行者にしてはショボイ御提案です。
でも、そんなコトはちいさなモンダイです。
このあとからが、クワセモノなのです。

○この章の2ページ目p.63から、
いささか奇妙な言い回しの文章がつづくのです。
上記「三連打」の返答例文をあげておきながら、
「How was your weekend?という質問は月曜日に使う単なる挨拶の言葉で、あなたが週末をどう過ごしたか、ということをほんとうに知りたくて訊いているわけではないのです。したがって、どこかへ行ったとしても、また何かをしたとしても、それを相手に伝えずに、上記のように答えてもかまわないのです。ウソを言っていることにはなりません。」
センセ、なにがおっしゃりたいのでしょうか?
先をつづけます。
「この点は、毎日交わす How are you ? もしくは How are you doing ? も同じです。あなたの健康状態を真剣に尋ねているわけではありません。例え頭が痛くても、疲れていても、 Fine. とか Good. と答えるのが普通です。*当然、自分から何かを説明する場合にも、単打から連打へのレベルアップを図ることはきわめて重要です。つまり、単発のフレーズやセンテンスから脱して、最低3つのセンテンスを連続して発することです。」
どうです? おかしな点に氣づきましたか?
「*印」の文章とその直前の文章を、ゆっくり読みくらべてみてください。できれば2、3回。
この二つの文章は、何度よんでも、つながりませんよね?
どう解釈しても、二つの文章に意味のつながりがありませんよね?
十歩ゆずって、
この章では、「三連打」の重要性を主張なさりたいので、前後の文章(コンテキスト)に関わりなく、いつでも「三連打」の重要性に言及すればいいのかも知れません。
でも、朝の挨拶の儀礼性から、質問文の内容に重大な意味はない、と解説なさったあと、「『当然』単打から連打へのレベルアップを図ることはきわめて重要」だとおっしゃるその前に、なにか説明展開するツナギの文章が必要だと思います。
なにが「当然」なのか、当方にはサッパリわかりません。多分、ワタクシの知能が、山本センセのレベルに追いついていないのでしょう。
善意に解釈すれば、
このFineやGoodの代わりに「もっと長さのある、構文が歯ごたえのある表現」を使え、とおっしゃりたいのでしょう。
「長さと構文」は、センセの専売特許でしたモノね!
しかし、先の文展開はいただけません。飛躍が過ぎます。大半の人は、なんの疑問もヒッカカリもなく、す~っと読み流してしまうでしょう。
コトバを商売道具(商品)にしている業者なら、もすこし注意すべきだと思われるます。「三連打」というセンセ独創のアイデアを強調なさるときに、独創であればナオサラ、慎重に書きたいものです。勇み足はいけません。