あなたのコトバが あなたをだます/日本語道場2020

「漢字假名まじり文」の日本語をkeywordに私たちの社会の深層をさぐります。

日本人のザンネンな言語環境:連載 18

☆「生活ソク練習」だっ!ちゅーの。

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○英語を、むつかしく高等なモノと思いなして日々遠ざけ、ただ「しゃべれたらいいな~」と淡い希望を抱いているザンネン族の方は、英語そのものが、それほど好きでもありません。
ただ、淡い憧れを抱いているだけです。少しづつでも、英語らしきものを勉強していれば「いつかはしゃべれるようになる」と、あえかな希望を抱いて、
毎週少しづつ、翌週には忘れていく程度に過ごしていらっしゃいます。音読・朗読・百万語快読も手つかず、続きません。
自身は熱心に勉強をしているつもりですので、
「そういうやり方では何年やってもしゃべれるようになりませんヨ」と言われても、ユックリちんたら、ほとんどヤケのヤンパチ、意地になって間延びさせていらっしゃいます。
○ザンネン族の方々は、
明日イギリスからの来客があるのでもなく、当面、英会話能力や英語能が必要になる状況でもありません。
○「出かけた先で、外国人に道を聞かれた時に、チャント聞き取れて答えられるように、準備をしておこう」なんてココロ積もりの方があったとしましょうか?
それって、いつの話しなんですかね?来週だったら、今の実力では、間に合わないでしょうに。それとも、15年先を想定なさってるんですかね?
◎モチベーションがハッキリしていない人は、実効性のある練習に取り掛かりません。
○カタカナ英語を、洗い出して自分のボキャブラリーにすればいいのに、先送りでもない、取りかかりもしません。1000語のひとつ一つを英英辞典で調べあげるのに、一日5語づつカードにして何ケ月かかるか計算すると、ヤル気が失せてしまいますものね~!

○生活即練習、というコトがあります。
赤ん坊が母親からコトバを教えられて、文字どおりの母語を身につけるのは、毎日のスキンシップと繰り返し発話が続けられるからです。何度も何度も飽きずに繰り返される「まんま」「ぶーぶー」が、やがて特定のモノを指し、幼児のアタマの中に、イメージとして定着します。
文法の説明や辞書もなしに、いわば、身も蓋もない丸のままの音とイメージ感覚だけで、コトバを身につけるのです。
ただ、ザンネン族の方々とちがうのは、コドモはのべつ幕なしにコトバの音にさらされているというコトです。
特殊な例として、両親が別々の言語を話すとき、コドモに話しかけるコトバがそれぞれ違っていたら、その児はバイリンガルになります。
○学校で習った外国語が使いものにならないのは、生活の中でその外国語を使わないからです。
成人してから英会話教室に毎日!通っても、日常生活を日本語で通していれば、やはり英語は身につかないのです。
○そんなコトは、日本人の全員が、経験済みの事実であります。
なのに、ザンネン族の方々は、その事実を自分のコトとは思わないのです。ですから、10年やっても「アイサツ程度。問いかけお断り」というコトになります。
○何年留学していても、帰国してから日本語の生活に戻れば、半年一年でキレイさっぱり忘れてしまうのです。逆に、正しい方法で出来るだけたくさん練習をし続けていれば、留学なんかしなくても、英会話能は身につくのでした。
○結局、英会話能を身につけたければ、
日々の生活の中で、より多くの時間、英語を使うしかないのです。
英会話教室もいいでしょう。
しかし「教室を出たら日本語モード」となってしまうと、元の木阿弥。何年やっても身につかないコトになります。
◎つまり、くどいようですが、
(勉強がシゴトの) 学生でもない一般社会人が外国語会話の能力を身につけるには、生活の中でやり続けるしか、他にスベがないのです。そして、毎日続けるのは、
「英語が現実に必要な状況にある」か、「よほど英語圏の文化やコトバそのものに強い興味がある」かのどちらかの条件にある人なのです。

日本の状況を見れば、やはり、「9割の日本人に英語はいらない」のです。
いらないモノを身につけようと思いながら、身につかないヤリ方で時間をつぶしていらっしゃる方を「ザンネン族」と呼ばせていただいているのは、そういうワケなんです。