あなたのコトバが あなたをだます/日本語道場2020

「漢字假名まじり文」の日本語をkeywordに私たちの社会の深層をさぐります。

E36日本人のザンネンな言語環境:連載

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母語修得の際に左脳に刷り込まれた発音・構文(文法)は、条件反射的に無意識化されます。これが外国語を習得する際の障害となるのです。
○言語は、基本的に音声による伝達表現体系ですが、一民族の言語の中でも個人のレベルにあっては、当該言語を修得した際の方言・訛り(発音)・言い回しを個別にすりこまれています。
それゆえ、コトバは個人個人において、その語彙量・発音のクセ・構文能力・言い回しなどの面で、微妙かつ膨大な差異があるのです。つまり、同一言語を話していながら、ハナシが通じないコトもしばしば発生するのです。
この各個人ごとのコトバの差異が、また、写実描写の場合にもおおきな影響をおよぼします。
写実描写に障害となる内言語に、個人ごとの語彙・意味の理解度・対象を観察して分析する能力などの差があるのです。
○左脳の言語能にむすびついた象徴図像は、写実描写をする際の障害となります。
「樹の幹」「バラの花びら」「コップの縁」などと、アタマの中で、目の前のいろいろのモノを一つ一つ、その名称を思いうかべながら描写する時、在るがままの形象が画けません。形象色彩についての象徴記憶が、スケッチ彩色の段階で妨害をなし、目の前のあるがままのそれを描写できないのです。