あなたのコトバが あなたをだます/日本語道場2020

「漢字假名まじり文」の日本語をkeywordに私たちの社会の深層をさぐります。

E54/英会話:日本人のザンネンな言語環境:連載

前回、やっと22章をおわりましたが、The next chapter次の章も very important です。
ここをたたき終えたら、後はもうサッサときりあげて、
「英会話の正体」からASHIアシを洗いたいものです。
YAKUTAI益体もないDAKEDENAKU、英会話能を仕込みたいモノにとっては、むしろ harmful有害な bookというべきですから。

○SAIKINは、CD付きの実習書で exerciseするだけでなく、
Internetでいろんな free siteを覗いたり、
softwareを down loadするコトもできますし、
English Newspaper, Magazine,TV or Radioのソースを
読んだり聞いたりできます。
InterNetから取得できるText dataや Audio materialsを利用して、
English language英会話の練習が、いつでも・いくらでも、
好きなだけできます。
便利になったものです。

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○そんな、便利な情報元から、スマホで受信できるメルマガに、
「英語上達のネタ500」というのがあります。【 info@eng-If.com 】

その英語能習得の方法論と基本概念は、以下のごとし、

*読み書きと会話能(リスニング、スピーキング)には密接な関係がある。
*文字で作文できれば、発話もできる。
*読んだり書いたりするのに、時間も場所もえらばない。
*会話が進むなかで、聞いた音声(英語)をアタマの中で翻訳しながら判断応答するコトはできない。
(和訳せずに)読んで直に分かるものだけが、聞いてわかる。
*英語でスラスラしゃべれる表現は、辞書をつかわずに書けるものに限る。
これを理解していないために、「英会話」をするほとんどの人が上達しない。
*幼い頃から英語を使って生活する環境にいないヒトが
英語で会話できるようになるためには
読んで書ける力がなければいけない。
> 「今まで英会話スクールに通ってもちっともしゃべれなかった」
「会話の練習をしたけど、全然話せない」
「いくらリスニングをしても全然聞き取れるようにならない」
英語は知らない単語やわからない言い回しは、
聞けないどころか会話でも使えない。
使い方を知らないものは使いようがないというあたりまえの原理がある。
つまり英語を上達させるには
『英語を読めて書けるようにすること。それを聞けて話せるように持っていく』
英語の勉強法は突き詰めると、この一言に集約される。

○と、いうコトですが、
(またここでも、 Master Yamamoto センセの御説は、分がよくありません。)
これは「百万語快読」の原理とかなり近い考え方です。
ただし、「英語上達のネタ500」の方法も「百万語快読」にしても、
はじめの第一歩で、いきなりテキストに取りかかっていては、
なんにもなりません。すなわち、カタカナ発音を避けるために、
フォニックスを一ニヶ月であげてから、
動画を使った聞きとり練習に入るべきです。
ナマのダイレクトメソードが理想ですが、
民間の英会話教室を含め、日本の英語教育ではできませんから、種々の問題が固定化されてしまうのでした。
フォニックスをあげたあと、一般的な生活のなかで、
状況に応じた決まり文句・言い回しを耳ならししていくには、
動画つきの音声教材が効果的です。
ラジオが初心者にとって有効ではないのは、
全ての音声発話をテキストを見ながら聞かせているからです。
最近、NHKラジオの英語講座では「テキストを見ないで」
と指示する講師もでてきてはいますが......。ラジオ講座の限界です。

○決まり文句の聞きとり練習をこなしていくのと並行して、
テキストの音読練習も日々つづけます。
『英語を読めて書けるようにすること。
それを聞けて話せるように持っていく』ためにです。
この時、発話文の単語をいちいち取り出し(英和辞典で意味をしらべて)
日本語で意味をかんがえていてはなりません。
「百万語快読」のやり方のように、日本語に訳す間もなく文頭から文末まで、
一直線に流しヨミします。
おおざっぱなイメージが、瞬間shunkanつかめれば良いのです。
○これと並行して、自分の知っているタクサンのカタカナ英語をリストアップし、
その元の意味と、正しい発音を英英辞典で調べ、その項にある例文で音読練習すれば、ボキャブラリーが飛躍的に増えて使いモノになります。
文法などは、遠い先の、長文作文をする段階になってからでかまいません。

英語(会話能)を上達させるには、
「英語上達ネタ500」師のいうように、
『英語を読めて書けるようにすること。それを聞けて話せるように持っていく』
英語の習得法は突き詰めること、この一言に集約されます。
また、読み書きのできない人は、日々の生活のなかで
ミズカラ英語を吸収することができません。
「ナラウよりナレロ」が近道なのに、習うコトだけで
EIGOをやった氣になっているのです。

○ 前フリが長くなりましたが、
山本大センセのゴ本に戻りま~す。
23章「4ワードの限界」であります。

p.123 本文第一行、いきなり太GLで
>「耳から入れて口から出せる表現は、4ワードが限界です!」
と来ました。
さらに11行目から、
「リスニングにしても、知っているパターンや表現+4ワードくらいが限度で
(また太GL→)『まったくわからない長いセンテンスを何度か聴いているうちに、はっきりとわかるようになる』ということなどないのです。」
なのだそうな。
ま、DJの小林克也アニキのように、高校時代、カセットテープもヴィデオもない時代、ラジオから流れてくるアメリカン・ポップスを繰り返し聞き、少しづつ歌詞を
聞きとる、な~んてことは、
山本センセにとってはエソラゴトなんでしょうな?

そういう、個人的な経験ツマヅキを根拠に、
人間(日本人)の英語習得能について、客観的なエビデンスのない
コトを断定しないことです。
で、その根拠となる経験談が124ページから述べられます。
山本センセが、パックツアーでハワイに行かれた時、
ホノルルの空港からホテルに案内する現地ガイドの英語に
狂喜なさいます。
バスのドライバーが
" What time Halekulani reach?"
とキッカリ4ワードの英語をしゃべっていたそうです。
高校卒業後にハワイに来て30年のその女性の英語を評して、
>「英語の環境に30年の長きにわたって生活して来たにもかかわらず、環境は彼女の英語の改良の助けにはならなかったのです。必要性即進歩につながるどころか進歩の妨げにさえなっているのです。必要だから、とにかく、うまくは言えない、完全な形で自分の言いたいことをすべて表現できなくても、少なくとも核心となる部分は伝えなくてはという気持ちから、結果として必要最小限の内容を必要最小限の言葉でなんとかして来たのです。」
確かに、ボロボロの英語です。というより、日本語の文章をその順序構文そのままに、単語をカタカナ英語に置き換えただけの文章です。
もヒトツ、山本センセのニューヨークでの体験。和食屋の50過ぎの日本人女性の英語。
" Bus take over there."
これも山本センセのおっしゃるとおり、語順が普通の英語とは逆さまです。
Take the bus over there.が妥当ですが、
山本センセの結論、
>「(太GL)複雑で長いセンテンスなど使う必要ない、もっと簡単に言えますよ、的な甘言の誘惑に負けないようにしてください。(以下略)」
とムチャなコトをおっしゃる。

○30年アメリカで生活しながら、4ワードの英語で必要を満たせるようなシゴトについておれば、そのヒトは、ブロークンEnglishで済ませられるのです。
山本センセは、こういう面で強引なリクツを訳知りフウにウンチクるのです。
そんな4ワードの言い回しだけで働ける職場など、数えるほどしかあるまいに。
日本からの観光客を空港からホテルまでに案内するガイドや、日本人相手の和食屋の従業員に流暢な英語、TOEIC600の語学力すら必要ではありません。
ヒトを観て法を説かなければならないとは、このことです。
この章以外のトコロで、山本センセは、もっと別な
(かなり高度な内容の英語が必要な)職業にある日本人でも、
現地で立派な英語でしゃべっているのに出くわしたことがない、
とおっしゃってます。
だから、どうだというのでしょう?
自分のコトバ(英語)の能力について、本人が満足していれば、
ゴ当人は別段あらためて練習をすることもないでしょう。
個別具体的に、
自分の感じた必要度に応じて、ヒトは知力を向けるのであって、
全ての英語学習者が、山本センセの基準に合わさなきゃならないギリなど
ないのです。
9割の日本人に英語は「必要」ないのですから、
その必要のない人たちが、英会話教室に通いながら英語が身につけられなくて、
人生ムダに費やしていても、それはそれで "As you like it."
誰も困らないのですから、現状は不変です。
であればこそ、
山本センセのゴ本も売れるわけであります。

で、山本センセのゴ本は、ベストセラーとゆかなくとも、
いろいろ次々と、国際語学社から出てまいります。
「英会話の正体」のあとに
「速攻メソッド4ワード英会話」という本が出ておりますが、
一体これは、なんなんでしょうね?
そもそも、この章で「4ワードの限界」と言っておきながら、
今度は、
『速攻メソッド4ワード英会話』ですか?
これって、4ワード文の英会話が有効ってコトですかね?
バカバカしくて、この本は買う氣になりませんでした。
山本センセって、こういうヒトなんですね?
『速攻メソッド4ワード英会話』
《CDブック》(国際語学社。2010/02/19) / 耳で聴いて、すぐに身につく限界は「4ワード」。だから、聞き流すだけで、すぐに話せる。)

ま、なにをいうのも自由ですが、
英会話ザンネン族をだませても、ワタクシ
スズエアキヲをはぐらかすことはムリです。
ヒトをバカにしていて、バケのかわがはげたとき、
そのセメはみずから負うのですよ。
この23章は、「英会話の正体」のトドメでした。
あとは、言うコトもありません。