あなたのコトバが あなたをだます/日本語道場2020

「漢字假名まじり文」の日本語をkeywordに私たちの社会の深層をさぐります。

E70/EIKAIWA ; Japanese poor environment on languages ;serial comment.

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○やっと、油絵が完成して(新聞社の締めきりに間にあい)、2日に送りだすことができました。
ようやくブログの原稿にとりかかれます。

○現在の日本で、さまざまなレベルの英語(英会話)能が求められているとはいえ、
問題は、その実用度です。TOEICや英検の高いレベルを取得しても、実際の場面ではしゃべれない、という人が多い。
この場合のレベルというのは、
その人がおもむく場所と相手の知的レベルに左右されるワケです。逆に言うと、万人共通の「日常英会話」レベルなどというモノはないのです。
個別に求められる実用度は、当人のおかれる状況に充分対応できるかどうかにかかってきます。
日本の公教育でほどこされる英語力一般は、個人の個別具体的目標には適合していないのは分かりきったコトであります。
であるにもかかわらず、
英語能を求める側がそれを自覚していないのは、
あるいは自覚できないのは、さらに自覚したくないのは、実のところ、
英語力も英会話能も不必要だからです。無自覚なヒトは、英語力も英会話能も必要ではない立場にある、ということでしかありません。
山本大センセがいくら「必要なら身につくというのは、デタラメだ」と叫んだところで、事情は変わりません。

○実際の生活や仕事の上で英語が必要ならば、
英会話学校TOEIC攻略講座に行っているヒマなどありません。
前ブログであげた明治の文明開化期の英語達人は、英語を学んだあとに、外交活動や研究・執筆など、英語を使って活動する強烈なモチベーションがあったのです。当節の英会話不安(Fanのこと)のほとんどは、そんな高等知識人のレベルを目指しているワケではありません。
それどころか実用度もナニもない、ズンベラボウが関の山。
もとより、話したい自分独自の内容話題がありません。あっても、用語言い回しを英語でどういうか、常日ごろ調べもしません。ネイティブのセンセや講師に何かを教えてもらうのを待っているだけです。
それゆえ、目標はアイマイ模糊のまま、少しのヒマつぶしにアタマが麻痺しているのです。
社内公用語を英語にしたという、「ラクチン」とか「ゆに黒」とかいったオッチョコチョイ企業でも、実際のところ、英語が必要な場面はきわめて少ない。
TOEIC受験の学習に時間をとる位なら、もっと生産性をあげるコトに力をむければいいものを。
ホンマにアホなコッチャ。

ビスマルク箴言と言われる
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」、
実際はこんな言い草ではなかったらしいですが、しかし、評論家や学者がよく引用している文句ではあります。ビスマルクのコトバでなくても、これはこれでナットクできる内容だからでしょうね。
この格言は、英語教育の改善策や英語能習得の方法を論じる時、論者・専門家に対しても当てはめられます。
その先生の、若い頃の経験の内容、出会った書籍文献、英語にまつわる言語環境、などなど。それぞれの経験や知見から、その先生独自の「外国語習得法」や「練習法」が導き出されます。
こうして、日本国中に、さまざまな英語本・英会話本が、玉石混交、どれが正しいのか誰の方法が有効なのか、一般人には皆目わからない事態が現出することになります。
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こと、英会話に関する限り、
翻訳や通訳ガイド、同時通訳のプロの書いた「英会話」本は百害あって一利なし。高校大学の学生ならともかく、練習法が過酷な暗記にかたより、成人・熟年にとっては無駄な努力を強いるものでしかありません。