あなたのコトバが あなたをだます/日本語道場2020

「漢字假名まじり文」の日本語をkeywordに私たちの社会の深層をさぐります。

E120/日本語やめて English(英会話) / A Little Language Goes a Long Way


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スペイン語の勉強をはじめたころ、
ある本で、以下のやうなくだりに遭遇しました。
スペイン語やドイツ語は、かいてあるやうによむ。
   フランス語はかいてあるやうにはよまない。
   英語は  かいてないやうによむ。」

   英語だけが、
アルフアベツト表記のとおりには よむ(発音する)ことのない、
世界でもめずらしい言語であります。
   これと同様、あるいはそれ以上の難読文字表記を
かかへてゐるコトバは 世界ひろしといへど、日本語だけであります。

   英語がこれほど、よむのに困難であるのは、
イングランド本国内にあつて、中世期(14世紀)に
大母音推移」といふ  変移が生じてゐたにもかかはらず
国家が、この言語のただしい表記法を決めなかつたからです。
そのため、未だに 正書法についての議論が、
英米両国(英語圏)の民間有志のあいだで、議論がつづいてをります。
>  https://en.wikipedia.org/wiki/English-language_spelling_reform

   コンチネンタル(ユーラシア大陸)の両端の島国の言語が、表記法で
公式の書式をもつてゐないといふのは、
歴史の偶然といふべきか、必然といふべきことなのか?

この「推移」による よみにくさは  しかし、
インド・ヨーロツパ語族のあいだでは、
それほど不可解な表記ではなく、それなりの類推が可能であります。
[i]を[イ]とよんだり[アイ]とよむ。
[a]を[ア]とよむ場合も[エイ]とよむ場合もある。
この異動に、ある種の法則がありました。それをフオニツクスとよびます。

しかし
インド・ヨーロツパ語族の人々に 類推可能であつても、
日本人には不可能であります。
日本語は、インド・ヨーロツパ語族とは   
   なんの関連もない言語であり、
類推の余地が  まつたくありません。

この、英語側の障壁にくはへて、
日本語側の奇形的障碍「漢字かな混じり表記法」がからみついて、
言語の習得に、特別の障壁をうゑつけてをります。

ですので、
文字をよみあげる際の「発音」の面からみれば、
日本人にとつて  もつとも厄介な言語が  英語なのでありました。
日本人にとつて、(文字からの発音学習が)もつともむずかしい言語が
英語なのであります。
にもかかはらず、日本では、
英語を(「漢字かな混じり」の)日本語に翻訳し、英会話を文字から まなばうとする、
長年の因習があります。
「コトバは音(音声)にすぎない」といふ前提を、まつたく無視して、
今も、公教育の機関で カタカナ発音の Bookish English が 
おしつけられてゐるのでした。