あなたのコトバが あなたをだます/日本語道場2020

「漢字假名まじり文」の日本語をkeywordに私たちの社会の深層をさぐります。

E59/EIKAIWA ; Japanese のザンネンな言語環境:serial comments

A team of radiation experts from a UN nuclear watchdog is in Japan to advise the Japanese government on efforts to decontaminate areas around the damaged nuclear plant in Fukushima. ( 14.Oct. NHK WORLD)

イメージ 1


さていよいよ、最終の40章にまいりました。
ヒョンなコトから、この『英会話の正体』を批判するハメに自らおいこんだバカなワタクシ。
やっと、ドロヌマからアシヌケできます。
と、勇躍いさんで、第40章にとりかかろうと見出しタイトルを見ますと、

「40 断続の継続」とあります。
ま、山本センセらしい、一ヒネリきかしたタイトルではありますが、
要するに「継続は力なり」というコトを
3ページに渡って(実質の文字数からいえば2ページ)
縷々のべておられるのでした。
ジャッカン拍子ヌケであります。

必要のないヒトには、英語の方から寄りついてくれることは、
万に一つもありません。
日々の生活の中で、英語を自分の中に取り込んでいれば、
英語はなじんでくれます。継続する、というよりも、
日々生活の中心においてやる、そんな生活であれば、
英語は、知らぬまに、あなたのカラダの一部となってしまいます。

思い返せば、しかし、
批判するブログを書くために
この御本を再度読みかえし、
あらためて、関連の「英会話」本も調べなおした、この3ヶ月。
そうすることから見えてきたのは、

山本大センセをふくめ、
英語にふりまわされる日本人と日本の社会の、
ナサケナクもコッケイなあり様でした。

かわいそうな日本語と日本人。
なんでこんなに、英語で苦しまなきゃならないのか?
他の国の人々を見るにつけ、
英語で苦しんでいるのは日本人だけのように思えてなりません。
中学高校と6年間も英語をやっていながら、
とんとツカイモノにならない状態に追い込まれ、
社会人となってから、英会話教室だ、やれ留学だ、
TOEFL・英検・TOEIC だ、とムダ金を使い、
あげくに「9割の日本人に英語はいらない」とヤユされる始末
狂っているとしか言いようがありません。

そのモノ狂いに輪をかけるか、
めでたく、2020年のオリンピックがTOKYOに決定して、
またぞろ英会話ブームが起きますぜ!

折しも、
OECDのおこなった「国際成人力調査」では、
「読解力」「数的思考力」で調査国中1位。
「ITを活用した問題解決能力」でのみ10位だったと、
先週、発表がありましたな。
2013年のコンニチただいま、
さまざまな点で、日本人はホントに優秀なんだけど、
英会話だけがカラッキシだめとは、
一体どういうコトなんざましょ。
そのコタエは、
日本国民全員が使っている日本語の、
ユニークかつ悪魔的な奇形性にありました。

『リチューニング 英語習得法』の ドミニク・チータムさんが指摘している
母語フィルター」は、日本人の場合、おそろしくつよいので、
これが外国語(会話)の習得を困難にさせる原因なのでした。
もちろん、この母語フィルターをうまくすり抜けて、
何カ国もの言語をリュウチョーに話せる日本人も、わずかながらいます。
ほとんど数えるほどしかいないのですけどね。
《ネットで [ポログリット] のサイトを覗いてみてください。》

◯そういった不幸な日本語をベースに、
英語のキテレツ学習に固執しているのが、
翻訳文法派とも呼ぶべき英語学の攘夷派であります。
英文法攘夷派。
渡部昇一センセをはじめとして、成毛眞シャチョーや
ここで問題にしております山本センセも
「英文法しっかり。英文和訳和文英訳」が金科玉条であり、
「優秀な日本人は英語で考えられない」と主張する
妄想鎖国アタマの攘夷派であります。
音声言語を(文字にした)活字からとりいれ、
「反訳」の作法を学びながら、日本語での意味理解に
洗練を加える。
学校英語の基本的方法がコレですから、アイサツ以外一言も発言できません。
国際会議での日本人参加者を評して、
かつて、「日本人3S」のジョークが流通しました。
" Silence, Smile, Sleep. "
( カタカナで「韻」をふめば、『スマイル、スリープ、サイレンス』
でおさまりよくなります。)
学校英語の基本をふまえながら、コレに固執せず、
翻訳文法派とキッパリ縁を切り、
オーラルの練習をテッテイしてくりかえしたモノのみが、
それなりの会話力を身につけたのです。

何度も申しておりますが、
実用英会話を目指すなら
○個別具体的に練習メニューを自前で作るしかありません。自分専用の、フレーズ、用語、言い回しを500~600、
毎日クチならし練習を繰り返すだけです。
どこかに「自分にピッタリの教材や学校があるハズ」なんてコトは100%ありません。
それともアナタは奇跡を信じますか???

○いわゆるフロー学習というものを推奨する英語プロがたくさんいらっしゃいます。
私の数少ないネットサーフィンや覗き廻りで、英会話練習のメールマガジンやブログを読んでみても、その方法は常識的なパターンであります。

具体的なアクションは以下のようになります。
1.自分が生活するシーンで、どういうシーンがあるかをリストアップ。
2.そのシーンで発生しうる実際的な英会話(文)例を書籍等で調べ、ピックアップ。書きだし。
3.その英会話文を音読でクチならし。会話のシミュレーション訓練を繰り返す。
と、いったトコロでしょうか?

○自分が関わる実際的なシチュエーションを想定しなければなりません。モンギリ型会話文では、使いモノになりません。
また、日常会話と言っても、
ヒトそれぞれ、個人的条件(人格)の違いにともなって、話題が違います。

年令・性別・職業・地位・収入・性格性癖・趣味・教養・知識・支持政党・思想信条・病歴・体格・出身地(方言ナマリ)・配偶者の有無・婚歴など、千差万別の個人的条件がさまざまです。
通り一辺のアイサツのあとは、状況に応じて、自分の立場人格をふまえて話題をふらなければなりません。
ですから、自分が会話の主導権をもたない場合、話す内容は種々雑多、当意即妙に応対できるか否かは、あなたの知性(ボキャブラリーと会話能)にかかわってきます。
その人格を醸し出すのが、モノイイ(ボキャブラリー)なワケです。

○そんなレベルの会話を望んではいない、という方の英会話とは、
無味無臭のオザナリ会話、官僚の記者会見でのコメントみたいな陳腐な陳述でしかありません。
「このような不祥事が二度と起きないよう、組織のあり方を見直してまいる所存です。」
これは、
旅行先で、買いモノや食事をしたりする時の簡単な会話文と、かんがえ方の基本は同じです。よく聞くイイグサで、ことさら、あらためて練習するような会話文でもないのです。

そして、英会話能を上達させたければ、最終的には、
「教わる氣持ち」より
「教える氣構え」が有効です。

○なかなか英会話能が上達しないヒトは、どこまでいっても
「教わろう」「教えてもらおう」という意識が、心の底につねにわだかまっています。
しゃべれないコトを自覚していますから、仕方がないのですが、
「今日学んだことを、明日、あのヒトに教えてやろう」といった心構えがあれば、
アタマは、必死に覚えようとします。
さらに「これに関連したコトや、言い換え文を聞かれたらどうしよう」と心配になれば、
それをまた、調べることになり、
より記憶がつよめられ、ボキャブラリーがふえるのです。

' Old Beliefs Do Not Lead You To New Cheese. '
( Dr. Spencer Johnson "Who Moved My Cheese?")

「英語で考える」という境地は、山本センセがおっしゃるような、
練習開始のはじめから身についている能力ではありません。
ある日ある時、氣がついたら、相手の言っていることが直接(日本語フィルターを通さず)アタマに入ってきて、
こちらも、ほとんど自動的に(日本語を思いうかべずに)しゃべっていた、
という風になるのです。
その頃には、夢の中でも英語を聞き、英語でしゃべっています。
ザンネン族の方々は、英語をしゃべる前に、
日本語の文章をアタマに思いうかべてます。
「左脳内逐語訳発話」というヤツです。
コレにはまりこんでいる限り、
いつまでたっても、英語での会話に入れません。

『英会話の正体』オチョクリのブログを、
ここで最終回とするにあたって、
それでも、英会話能を身につけたいと、淡い希望をお持ちの方に、
最低限の「心得」と「練習メニュー」を挙げておきます。
ただ、
このとおりできないときは、ザンネン族のまま、
余生をお送りください。
他人にメイワクがかかるワケでもなし、命に別条もないですから、
素敵なヒマツブシになると思います。
英会話能というものは、
英語の練習をはじめて3年たって、目標レベルに到達できなければ、
それまでの生活に問題があると観念してください。
練習量か集中度かの、どちらか、あるいはその両方に
不足があったので達成できなかったのです。
不足したままで、それ以上ダラダラ続けていても、ついに
満足のいく境地には達しません。

『英会話能 心得と練習メニュー』
★発音と基礎的な構文イメージは、最初の3ヶ月で挙げておく。
フォニックスの履修と、starter bookの音読。
中学3年間の英文テキストの音読100回。
★学習者むけ英英辞典を使用。
★百万語快読の継続。百万語を1年で達成する。
★座右の書を一冊選び、只管朗読。
できれば一冊丸暗記。朗唱できるようにする。
★身の周りの英語化。TV、DVD、オーディオ。
新聞、雑誌、趣味の本。
ネット・サーフィン、メモ、手帳、日記、
ワード・マップ(コトバのイメージ・チャート)
できるだけ多くの文に接する。
(身の周りの英語化➡︎例えば、携帯電話・スマホの待ち受け画面ほか、
表示画面の言語を、日本語から英語に設定を変えておく。 など……。)
★自分用のフレーズ集を作る(カード 500枚~700枚)。